これでわかる!黒谷株式会社
事業構造の特徴
当社の業績は、数量ベースの取引高に銅価格を掛け合わせたものが金額ベースの売上高となるため、銅価格の推移に大きく影響を受けることになります。そのため、売上高の数字だけをみると銅市況の動きに連動してボラティリティが大きくなりますが、数量ベースの取引は比較的安定して推移する傾向にあります。
一方で収益については、売りと買いの間で一定のスプレッドを確保することが会社にとっての利益の源泉となります。当社の事業においては、売買のスパンが短いため、たとえ売上高が急減した場合においても、このスプレッドを確保することにより概ね利益を確保することができます。ただし市況が想定以上に大きく変動した場合には、在庫及びフロー取引に損失が生じ、当社の収益性に悪影響を与える可能性があります。
自己資本の充実と東京証券取引所への上場
近年自己資本の充実に力を入れ、自己資本比率を高めてきました。これは未来の環境社会へ当社が貢献していくために、財務基盤を強化して企業としての持続可能性を高めていくための取り組みです。
引き続き経営の健全化・効率化を推し進め、自己資本の充実を図ってまいります。
そして、2011年6月には業界で初めて東京証券取引所(市場第2部)に上場を実現。2018年7月には一部銘柄に指定されました。今後さらなる事業の拡大を目指します。
将来への展開:さらに強まる銅への需要
これまで先進国が担ってきた景気の牽引役はBRICsに代表される新興国にシフトしていく傾向が強まっています。これらの国々が社会・産業インフラを急速に充実させていくなかで、銅の需要は急速に高まり、同時に銅のリサイクルへのニーズも高まること見込まれます。
これらの新興国においては、その成長のスピードと広大無辺のインフラ整備という状況を考えると、かつて日本が戦後40年の間に産業の優先順位が“供給“から”安全“に変化したのと同様の成長プロセスが、今後10年で再現されても不思議ではありません。この分野において、当社はすでに培ったノウハウとネットワークを生かし、海外においても業界のリーダーとしての地位を確立し、ビジネスの拡大を目指します。
当社はすでに中国や東南アジアを始めとした高成長地域へビジネスを展開するためのリサーチ活動を積極的に行っています。日本における戦後の経済復興を、生活・産業インフラに欠かせない銅素材の供給によってサポートしてきた当社は、近い将来、世界の新しい急成長エリアにおいてもその職責を果たすべく、取り組んでいきます。